アメリカ 学生ビザ申請 10ケ条 (非移民ビザ)
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北米を拠点とする国際交流団体、NAFSA のホームページでは、学生ビザを含む「非移民ビザ」を申請する際に気をつけるべきこととして、下記の10ケ条を挙げています。
10 Points to Remember When Applying for a Student Visa
- Ties to Your Home Country and Residence Abroad
- English
- Speak for Yourself
- Know the Program and How It Fits Your Career Plans
- Be Brief and Maintain a Positive Attitude
- Supporting Documentation (Know Your Specific Situation or History)
- Different Requirements for Different Countries
- Employment
- Dependents Remaining at Home
- Other Special Considerations
この10ケ条は全世界の人を対象に書かれており、かつ、学生ビザだけでなく非移民ビザ全体に関する内容を含みます。
今回のブログでは、ハワイ留学に関係のある部分に的を絞って、内容をご紹介したいと思います。
NAFSA の10ケ条 ハワイ留学が目的ならこうなる
NAFSA にサイトに掲載された英文の10ケ条を訳しつつ、「留学に向けて学生ビザを申請する人」用に少し書き換えてみると……こんな風になりました。
申請する際に気をつけるべき 10ケ条
ここからは一つ一つのポイントについて、「ハワイ留学の場合」を考えながら内容を見ていきましょう。
① 「勉強が終わったら帰国する」と はっきり伝える
- Ties to Your Home Country and Residence Abroad –
ビザ面接ではハワイへ行くのは勉強のためであること、勉強が終わったら帰国すること、さらには将来、ハワイで学んだ内容をどのようにいかすのか、「帰国後」のプランをしっかり伝える必要があります。
在学証明書や在職証明書などの書類があれば、それらも面接時に一緒に提出し、母国・居住国に帰る「理由」があることを示しましょう。
アメリカ大使館のビザ申請のページに、
「アメリカ移民法は、領事に『全ての申請者はアメリカに移民する意志がある』という仮定に基づき審査をするよう求めている」
と記載されています。
つまり、学生ビザ申請者は「留学を終えたらアメリカを出国する」ことを示さない限り、「アメリカに移民する意志がある」と判断されてしまうのです。母国・居住国とのつながりを示すことは、「ハワイ(アメリカ)に移住する意思がない」ことのアピールにつながります。ハワイ(アメリカ)に憧れている、ハワイ(アメリカ)で働きたいといった、ハワイ好きを強調するような発言も、ビザ面接では厳禁です。
もしこれまでにグリーンカードの申請をしたことがある場合は、嘘はつかず、「グリーンカードの抽選を受けてみただけで、移民をする特定の理由や意思はない」と答えましょう。
② 事前に英語の練習をする
- English –
大使館や領事館での面接は、基本的にすべて英語で行われます。
聞かれる内容は留学の理由や帰国後のことなどある程度決まっており、難しい質問をされることはまずありませんが、英会話はまったく……と言う人は、少しでも練習して英会話に慣れておくことをおすすめします。
面接当日、質問内容が聞き取れなければ、Pardon me? (何とおっしゃいましたか?)と聞き直しても OK。どうしてもわからなければ、「日本語でお願いします」と言って、日本語がわかる担当者に代わってもらうこともできます(ただし、日本語が片言の場合もあるようです)。事前に原稿を作って丸暗記する方法は、予想と違うことを聞かれた場合に言葉に詰まってしまう可能性があるので、避けましょう。
③ 人任せにしない
- Speak for Yourself –
面接の場に、家族を連れて行くことはできません。
付き添いの家族や保護者は待合室で待機することはできますが、面接は一人で行うのが大原則。そもそも留学は自分のためにするものですから、これは当たり前のことです。ハワイでの滞在先や留学時の費用の支払いについて尋ねられたとき「親にお願いしているので、私は知りません」なんて答えれば、悪い印象につながります。
④ 「ハワイ留学経験を、帰国後にいかす」ことを伝える
- Know the Program and How It Fits Your Career Plans –
「なぜ留学したいのか、なぜ行き先にハワイを選んだのか、ハワイの学校で何を学び、その経験を帰国後どのようにいかすのか」という質問は、ビザ面接ではほぼ確実に尋ねられると思ってください。
これらの内容を英語で説明できるようにするためには、まず自分自身が留学する学校の特徴やプログラムの内容を、しっかり理解する必要があります。面接は長くて2、3分ですので、短時間では説明仕切れないと思う内容は、エッセイで補足しましょう(「⑥ 長すぎるエッセイはダメ! ポイントを絞ってわかりやすく」も参照)。
⑤ 聞かれたことに対し 的確に短く答える
- Be Brief and Maintain a Positive Attitude –
多くの人のインタビューを担当する面接官は、できるだけ迅速に、効率よく面接を行わなければなりません。短時間で相手にいい印象を持ってもらうためのポイントは、質問に対してできるだけ簡潔に、分かりやすく答えること。関係のない前置きを長々と話さず、聞かれたことだけに答えましょう。
⑥ 長すぎるエッセイはダメ! ポイントを絞ってわかりやすく
- Supporting Documentation (Know Your Specific Situation or History) –
ハワイ留学に至る気持ちの流れ、帰国後のプランを整理するためにおすすめしたいのが、「エッセイ(作文)」です。担当者が短時間で目を通すことを考えれば、長さは A4 用紙 1枚程度、できれば手書きは避け、パソコンで。「④ 「ハワイ留学経験を、帰国後にいかす」ことを伝える 」でも触れた「なぜ留学したいのか、なぜ行き先にハワイを選んだのか、ハワイの学校で何を学び、その経験を帰国後どのようにいかすのか」という流れに沿って、わかりやすく、簡潔に書きましょう。難しい言い回しを使う必要はありませんが、事前にスペルの間違いがないか位はチェックして。
⑦ 統計上「移民の意思」が疑われやすい国がある
- Different Requirements for Different Countries –
経済状況が悪い国や、留学生の多くが移民となりアメリカにとどまる国出身の場合、ビザが却下される可能性が高くなります。
これらの国の出身者は、留学後のキャリアプランについて詳細な説明を求められる可能性が非常に高くなりますが、日本国籍の方はこういった心配は不要です。
⑧ 目的は「就労」ではなく「学業」
- Employment –
学生ビザを申請する目的は、ハワイの学校で勉強するためであって、就職先を探すためではありません。
そのことは常に頭に置いて、ビザ面接を受ける必要があります。
学生ビザを取得してハワイへいくと、一定の条件の下、アルバイトや就労、ボランティアが認められることがありますが、学生の中にはいつしか働くことが主目的になり勉強がおろそかになる人がいます。ビザ面接官は「あなたもその一人になるのではないか」と疑っているのです。その疑いを晴らすためには、ここまでに書いてきたような方法で、ハワイで勉強したいという気持ちやその根拠を、明確かつ具体的に示さなければなりません。留学後は一旦日本に帰るけれど、いつかはハワイで働いてみたい……そんな夢を持っている人もいるかもしれませんが、そういった話はビザ申請では厳禁です。
⑨ ハワイから日本への送金は NG!
- Dependents Remaining at Home –
配偶者や子供を日本に残す場合、日本の家族はどのように生計を立てるのかを説明しなければなりません。
面接官から「ハワイにいる間に収入を得て、日本の家族に送金するのではないか」と疑われれば、ビザはほぼ間違いなく却下されます。
⑩ その他考慮される特別事項
- Other Special Considerations –
ソーシャルメディア(SNS) に関する質問
2019年、ビザ申請に先立って作成する DS-160 フォームに、利用している SNS のアカウント (Instagram, Twitter, Facebook 等 )とハンドルネームについて尋ねる質問項目が追加されました。この質問に正直に答えるのはもちろんですが、答えた以上は面接に際して SNS がチェックされるということを忘れずに。
管理処理の遅延
ビザの取得は、 “administrative processing(行政処理)” を理由に、時間がかかる場合があります。例えば、政府の要注意人物リストの中に申請者と同姓同名の人物がいるケースや、申請者が学ぼうとする分野が機密事項などに関連するケース。これらは注意して避けられることではありません。ビザ取得後にパスポートを使用する予定のある人は、このような事情でパスポートの返還が遅れる可能性があることも考慮しておきましょう。
アメリカへの渡航履歴
ビザ面接では、過去のハワイ(アメリカ)渡航、滞在履歴やビザ取得履歴について尋ねられることがあります。就労ビザや Optional Practical Training (OPT) の経験がある場合は、なぜ自国で働くのではなく、ハワイ(アメリカ)で学校に通う必要があるのかを、面接官に説明しなければなりません。
また、過去にアメリカでオーバーステイ(許可された期間を超えた滞在)や入国ステータスに違反したことがある人は、その理由を説明し、可能であれば当時の状況を説明するための文書を用意してください。また、このような経験がある場合は、事前に移民弁護士に相談しましょう。
第三国国民
現在住んでいる国またはビザを申請する国の市民(永住者)でない場合も、ハワイ(アメリカ)留学修了後は、その国に戻ると説明することができます。こちらも、日本に住む日本人の場合は、関係のない項目です。
逮捕と有罪判決
アメリカ内または海外で逮捕・拘束されたり有罪判決を受けた場合は、そのことを示す文書を提出しなければなりません。逮捕、有罪判決の中には、飲酒運転も含まれます。これに当てはまる人は、事前に必ず移民弁護士に確認してください。
最後に
面接当日は、誰でも緊張するものです。まずは面接官の質問をしっかり聞いて、落ち着いて答えれば、徐々に気持ちは落ち着いてくるはず。就職試験のようなスーツ姿……とまでは言いませんが、「この人、本当に勉強する気あるの?」」と疑われかねない華美な服装は避けましょう。
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